研究のすすめ 医学生、医師の皆さんへ

研究室紹介

橋本 直純 講師、阪本 考司 特任助教

【慢性炎症および線維化を伴うびまん性肺疾患がもたらす組織微小環境が呼吸器疾患病態に与える影響とその治療戦略の構築】

研究概要

 肺線維症の線維化病変に存在する多様な表現型を有する線維芽細胞が骨髄由来線維芽細胞や肺上皮細胞および肺血管内皮細胞による肺構成細胞間葉系形質転換(Lung Cells-Mesenchymal transition; EMT)を介したさまざまな細胞起源由来線維芽細胞の存在が証明されるに至り、線維化機序を制御する新たな治療戦略の構築のために重要な知見となっています。間質性肺炎が高率に肺癌を合併するという臨床知見と合わせて、線維化病変はEMTを誘導して更なる線維化病変の過剰形成をもたらすとともに、過剰形成された線維化病変が腫瘍微小環境として高率に肺癌の発症母地となると考えています。我々はさまざまな組織微小環境刺激を包括的に制御する治療戦略の構築を目指しています。

Figure1

参考文献
1. Hashimoto, N., et al. J Clin Invest 113:243-252 (2004).
2. Hashimoto, N., et al. Am J Respir Cell Mol Biol 43:161-172 (2010).
3. Kusunose M, Hashimoto N, et al. Cancer Science 106:1693-1704 (2015)


【COPD/間質性肺炎を含む慢性呼吸器疾患と肺癌~肺癌外科手術症例における慢性呼吸器疾患による関連術後合併症リスク軽減の治療構築~】

研究概要

 今後喫煙に伴うCOPDに肺癌と間質性肺炎が併存する症例は増加が予測されます。こうした背景を受けて、我々はCOPD/間質性肺炎と肺癌の併存に関する問題点に着目してきました。慢性呼吸器疾患の併存は肺癌外科手術の重要なリスク因子になることを明らかにして報告しています。以上のように、日常臨床に存在する問題をテーマに研究を行っています。

参考文献
1. Hashimoto N,,et al. Ann Thorac Surg 102:440-447. (2016)

詳しい説明はこちらのPDFpdfよりご覧いただけます。
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