医局概要 医学生、医師の皆さんへ

 呼吸器内科教室では2007年5月からの長谷川好規教授の指導体制のもと、これまで多くの諸先輩方が築いてこられた教室の伝統と力をさらに発展させるため、研究、診療そして教育活動にも教室員一丸となって日々努力邁進しております。
 現教室員は長谷川好規教授以下、近藤征史准教授、佐藤光夫講師、橋本直純講師、伊藤理病院講師、若原恵子病院講師、麻生裕紀病院講師、森瀬昌宏病院助教、進藤有一郎助教、長谷哲成病院助教、阪本考司特任助教、岡地c太囎a院助教の12名の教員と医員1名、大学院生28名、の総勢41名で診療、研究、教育にあたっております。若原恵子病院講師が病棟医長、伊藤理病院講師が医局長を担当しています。また学内では研究および診療において、保健学科(川部勤教授)、臨床感染統御学(八木哲也教授)、化学療法学(安藤雄一教授)、分子腫瘍学(柳沢聖講師)、神経遺伝情報学(増田章男准教授)、医療の質・安全管理部(長尾能雅教授)など各分野で御活躍中の教室出身の先生方に助けていただいております。
 臨床面においては、客観的に評価され得るより良い呼吸器専門医療の確立を目標とした治療標準化委員会を医師のみでなく病棟看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士が参加し定期的に開催しています。同委員会はクリニカルパスの作成、運用も協議、立案しており、真の横断的な医療を目指す取り組みとして院内でも高く評価されています。また呼吸器外科、放射線科、化学療法部との合同で週1回行われる症例検討会は肺癌を中心とした高い水準の呼吸器臨床検討会であり、がん拠点病院のオープンカンファランスの一つとしても運用されており、学外からの参加者も大歓迎ですので興味のある先生方は是非ご連絡下さい。今後さらに充実した診療になるよう努めております。肺癌、呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、気管支鏡検査などを中心に一部を電子カルテとリンクさせた臨床データベースの構築に精力的な取り組みも行なっております。これは従来のデータ収集、保存、解析のみでなく臨床情報にもとづいてガイドライン推奨の治療法を表示できるなどの多機能を持ったデータベースを目指すものであり既に肺炎症例においては一部で運用を開始しておりましたが、それに続き、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)に対する肺機能・CTを用いた総合的な評価を行なうことを開始しています。
 研究面では、教授の指導管理のもとに行われる定期的な研究検討会、自由参加のテーマ別勉強会などがあり、各教員を中心に遺伝薬理学、気道炎症、気道平滑筋、癌遺伝子、肺線維症、気道細胞生理学、呼吸器免疫学など多岐にわたる分野で精力的に研究を行っております。同門の一山智先生(京都大学医学研究科臨床病態検査医学教授)、関戸好孝先生(愛知県がんセンター研究所分子腫瘍学部部長)、長谷川忠男先生(名古屋市立大学医学部細菌学講座教授)および南博信先生(神戸大学腫瘍内科教授)、飯沼由嗣先生(金沢医科大学感染症科教授)、久米裕昭先生(近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科教授)、馬場研二先生(愛知医科大学呼吸器・アレルギー内科特任教授)、今泉和良先生(藤田保健衛生大学呼吸器内科・アレルギー科教授)、の各先生には共同研究、大学院生の国内留学などに多大なご協力をいただいております。
 また、教育におきましては、関連病院で初期臨床研修終了後に呼吸器専門医を目指して研鑽中の若手医師を対象とした「名古屋呼吸器領域卒後専門教育セミナー」(1泊2日で呼吸器疾患の6領域-肺癌・腫瘍領域、喘息・アレルギー領域、COPD・呼吸リハビリ領域、びまん性肺疾患領域、呼吸器感染症領域、呼吸・循環領域-にわたって研修を行う)を開催して、若手呼吸器専門医がこの地方のエキスパートの先生を交えて高度専門医療の勉強会を行う「呼吸器科医養成塾」も順調にその参加者数を増し、共にこの地区の呼吸器内科学のレベルアップに大きく貢献していると自負しております。
 高齢化社会、肺癌の増加などで呼吸器疾患の患者さんは増加する一方であり、呼吸器内科医の仕事はますます増え人的な不足はきわめて深刻であります。しかし逆に研究でも臨床でも、まだいくらでも若い先生方が力を発揮できる余地があるということであり、一人でも多くの若い先生たちが呼吸器内科を専攻していただき、一緒にがんばってくれることを教室員一同切望しております。

2012年8月23日
文責: 橋本 直純

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